熊谷 童夢 / Chief Operating Officer (COO) / HALF TIME株式会社

     / Chief Operating Officer (COO) / アークメディカルジャパン株式会社

大学卒業後、大手金融機関で個人/法人営業を担当した後、営業マネジャーを歴任。その後は上場PR会社にて企業PRや新規事業の立上げに従事。現在はスタートアップ2社のCOOを務めながら、アドバイザーとして複数企業への参画や、ビジネス関連のYouTubeやコミュニティも運営している。

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現在、複数の企業で活躍されている熊谷さん。学生時代は野球部のキャプテンとしてリーダーシップを発揮し、高校時代は甲子園に出場するなど、組織を引っ張る役割を担い続けている熊谷さんが大切にしている「リーダーが持つべき思考」に関してお話を伺いました。


当時の状況を教えていただけますか?

以前、とある会社の社長とお会いした際、企業経営やリーダーに関しての話題になり、「おすすめの本はありますか?」とお尋ねした際に紹介していただきました。何冊か紹介いただいたうちの1冊でしたが、2020年に読んだ本の中では特に印象に残っています。

なるほど。普段から本は読まれているのでしょうか?

はい、社会人1年目の時から毎週1冊ペースで本を読んでいます。

毎週1冊はすごいペースですね!習慣的に本を読むようになったきっかけは何かあったのでしょうか?

学生時代にスポーツをしながらもスポーツ以外の学びに触れたいと思って読み始めたのがきっかけです。

本格的に本を読み始めるようになったのは大学に入学してからでした。私は野球部に所属していたのですが、スポーツをやっている人は「スポーツのスキル取得」に関しては貪欲ですが、例えばその他の、人間力を育んだり、知識やマネー、ビジネスリテラシーを取得することに関しては前者に比べて貪欲ではないと感じていました。

活躍するスポーツ選手でも引退後のセカンドキャリアに困っている人が多いのは、こういった部分にも原因があるのではないかと感じています。本は著者のこれまでの人生観に一瞬でアクセスすることができる素晴らしいツールです。

私自身、スポーツは人間形成の一つの手段だと考えていますし、事実、14年間の野球人生を通して何よりも”人間力”を鍛えてもらったと思っています。”何歳になっても学びを止めない姿勢”は人間にとって大切なテーマではないでしょうか。


今回挙げてもらった本を読んでどんな影響があったのでしょうか?

この本にはスポーツチームのマネジメントと人材育成は企業経営と同じだということが書かれています。つまり、視点を置き換えればスポーツでの経験が企業経営にも活きてくるということです。

本エピソードで次のような例があります。ラグビー大学選手権で史上初の9連覇を達成した帝京大学ラグビー部において、旧来型の部活動では「上級生が神のような存在で下級生は雑用(奴隷)」という環境でしたが、入部したばかりの下級生に比べて、心理的余裕があるのは上級生であり、「上級生が雑用、下級生が自分磨きに専念する」のように組織構造を逆転させました。結果、「下級生が上級生に萎縮する」のではなく「下級生が上級生を尊敬する」と言った良い関係ができ、チーム力が上がっていったのです。

自分自身のこれまでの経験から、上司やリーダーは”演出家”であり、部下や後輩は主人公だと考えます。部下や後輩がいかにパフォーマンスを発揮しやすい環境を作るかを考えることがリーダーの仕事だと思います。

また、旧来型のマネジメント思考として「飴と鞭」がありますが、私は賛成しません。この考え方は、上司やリーダーは外発的動機によって人を動かしており、即効性がある反面、持続性がなく、部下や後輩の人間的成長に結びつきません。部下や後輩の内発的動機を引き出すのがリーダーの仕事です。

本で得た学びは仕事で実践してみたりしましたか?

本に書かれていたことはもともと実践していることが多かったので、自分の考え方は間違っていなかったと再確認できました。ただ、もちろん最初からできていた訳ではなく、たくさん失敗をしてきて今の考えに至っています。

高校野球においては、野球をやる目的が「甲子園出場」になると思います。しかし、社会人においては、働く目的がお金だったり自己実現だったりと人それぞれなので、一定のマネジメントをするのではなく、その人に興味を持ち、個々人に合わせてマネジメント側も変わらないといけません。

実際にマネジメント側が変わり、成果を出している帝京大学ラグビー部の監督の言葉なので、自分自身の考え方が間違っていなかったと自信を持つことができました。

その書籍のタイトルを教えていただけますか?

『常勝集団のプリンシプル ~自ら学び成長する人材が育つ「岩出式」心のマネジメント~』 です。

どんな方にオススメでしょうか?

組織の経営陣やリーダーの人に見てもらいたいですね。

本の一節に「勝ち続けるためにはリーダーが変わらなければならない」とあります。自分がキャプテンだった頃や今現在経営に携わっている中で、組織は放っておくと安定思考に入りやすいと感じています。特に、過去に成功体験がある場合、その体験に囚われてしまい、気づかないうちに悪習慣までもが習慣化され組織のカラーが形成されてしまいます。

固定化された組織にならないためには、リーダーが意識的に新しいことに挑戦したり、変革を起こすようにトライする必要があります。帝京大学ラグビー部の例においても、勝っていたチームを変えるのは勇気が必要でしたが、それを思い切って実行できたことが常勝集団としての偉業達成に繋がったのだと思います。

このように「常識を疑う」きっかけが得られる本だと思いますので、リーダーはもちろんのこと、現在リーダーポジションでない人にも将来を見据えて手に取ってもらいたい一冊です!

インタビューを終えて

リーダーとメンバー両方の立場を経験されている熊谷さんの言葉には重みと納得感がありました。「常識を疑う」この考えはどの立場の人間にも大切ですね。私自身も常に変化し続けるように行動していこうと思いました。
<インタビュー・文責:鎌田>


<書籍紹介>

常勝集団のプリンシプル

自ら学び成長する人材が育つ「岩出式」心のマネジメント

  • 著者名:岩出 雅之
  • 出版社名:日経BP
  • 定価:1,500円+税
  • 発行年月:2018/3/1
  • 頁数:200ページ
  • ISBN:9784822255541

前人未到9連覇の常勝ノウハウをビジネスリーダーに初公開

2018年1月、帝京大学は全国大学ラグビー選手権で9連覇を達成しました。大学スポーツは選手の入れ替わりのサイクルが短く、連覇が非常に難しいとされている中、帝京大学は前人未到の記録を更新し続けています。
勝ち続ける秘訣は、岩出雅之監督の「メンバーのモチベーションを最高レベルに引き上げ、どんな状況においても実力を最大限発揮させる」心理学的マネジメントにあります。トップの指示命令がなくても、メンバー自らが学び、成長し続ける自律型組織を創り上げ、練習の苦しさを「楽しさ」に変える組織風土をつくり上げました。
岩出監督も就任当初は、学生ラグビー界の伝統校である早稲田大学、明治大学、慶應義塾大学にまったく勝てませんでした。試行錯誤の末、自身の成功体験を捨て、「脱・体育会」など従来の常識を覆す数々の組織改革と科学をベースとしたモチベーション・マネジメントを導入して、単にラグビーの能力を上げるのではなく、創造力と人間力にあふれ自律的に動く人材が育つ組織風土・文化をつくりあげました。その結果、帝京大学ラグビー部は常勝集団に変貌を遂げました。
岩出監督のマネジメント手法は、ビジネスの現場でも大いに役立ちます。本書では、ビジネスリーダーの方々に向けて、常勝集団になるための「岩出メソッド」を初めて公開します。

<出典>日経BP