田原優樹 Ph.D., MBA/バイオ・ファイン研究所/味の素株式会社

群馬県館林市出身。早稲田大学・大学院にて有機化学を専攻し、博士課程を修了。社会人5年目に早稲田大学ビジネススクールにてMBAを取得。味の素株式会社に新卒入社。世界的な科学論文情報誌に多数掲載。


研究者として活躍する傍ら、ビジネス視点から研究・開発を行えるようになるべくMBAを取得。更にはスタンフォード大学への研究留学と、世界のトップレベルの研究者として活躍する田原さんにお話しを伺いました。


当時のご状況を教えていただけますか?

もう1冊も、スタンフォードに研究留学に行っていた時に手にした本です。留学して半年経った頃だったと思います。

社内の厳しい競争を勝ち抜いて得た留学の機会でもあったので、何でも自分でやりたい、何でも自分が吸収したいと思っていました。

スタンフォードには著名人が定期的に講演に来るのですが、その中の1つに、アダム・グラント氏の講演があり、参加しました。

彼の著作である『ORIGINALS 誰もが「人と違うこと」ができる時代』が内容でしたが、非常に面白く、この本をすぐに購入して読みました。これをきっかけに、アダム・グラント氏の他の著作も読もうと思い手にしたのがこの本です。

※アダム・グラント:ペンシルベニア大学ウォートン校教授。組織心理学者。1981年生まれ。同大学史上最年少の終身教授。『フォーチュン』誌の「世界でもっとも優秀な40歳以下の教授40人」、『ビジネスウィーク』誌の「Favorite Professors」に選ばれるなど、受賞歴多数。「グーグル」「IBM」「ゴールドマンサックス」などの一流企業や組織で、コンサルティングおよび講演活動も精力的に行なう

その本からどんな影響を受けたのでしょうか?

最初に読んだ時に「うわっ!」という感じでした。

痛いところを突かれたというか、、、TAKEの意識が強かった自分に気付かされました。自分が持っているアイデアは貴重なもので、外に出したら誰かに盗られてしまうのではないか、という気持ちもあったかもしれません。

しかし、この本を読んで

オープンになって、出し惜しみすることがなくなりました。

アイデアを自分の中に留めておいても意味はないんじゃないか。と思うようになっていきました。

自分がGIVEしていけば、そのGIVEしたモノが新しいことを生み、予期せぬTAKEが訪れるかもしれない。そんなことを楽しめるようになりました。自分が作っていたバリアがパラパラと崩れていく感じですね。

誰かと出し惜しみなくアイデアを出し合って、まだ見たことなのない世界を妄想していく。

そういう楽しい議論をしたいなぁと思うようになっていきました。

帰国してからも、ここでの変化は続いています。

最近、社内で新企画のプレゼンの機会があったのですが、これまでは自分一人で行っていたことを、チームを組んで進めていくようになりました。現在は2人チームなので、正確にはタッグかもしれませんが。自分にとっては大きな変化でしたね!

その書籍のタイトルを教えていただけますか?

『 GIVE & TAKE 「与える人」こそ成功する時代 』

ですね。 実をいうと、この本より前に

『やり抜く力 GRIT(グリット)――人生のあらゆる成功を決める「究極の能力」を身につける』

も読んでいて、これまで地道にやり抜いてきた自分を認められたことも、GIVEすることを受け入れるきっかけになったと思います。

どんな人におすすめでしょうか?

競争の真っ只中や、出し抜いてやろうと思っている人は読んでみるといいと思います。色々自分で抱え込んだりしている人にもオススメですね。違った景色の中で、自分の力を活かせるようになり、むしろトータルで自身にとってもプラスになるように感じます。

【インタビューを終えて】

田原さんにお話を伺って、「自信を持っている人ほど、積極的に与えている」のだなぁと感じました。周囲に助けられて現在の自分があることを認識し、またそれに感謝をしているからこそ、GIVEしていけるのだと思います。私自身、多くの人に助けられてきているので、感謝の気持ちを再認識するとともに、GIVEできる存在でありたいと思えた時間になりました。  <取材・文章:中野 修二(@shu2Nac)>


<書籍紹介>

GIVE&TAKE

「与える人」こそ成功する時代

  • 著者名:アダム・グラント
  • 監訳:楠木建
  • 出版社名:三笠書房
  • 発行年月:2014/1/10
  • 判型/造本:
  • 頁数:382ページ
  • ISBN:4837957463

全米トップ・ビジネススクール「ウォートン校」の史上最年少終身教授でもあり、気鋭の組織心理学者が教えるビジネスの成功の秘訣。

「ギバー(人に惜しみなく与える人)」
「テイカー(真っ先に自分の利益を優先させる人)」
「マッチャー(損得のバランスを考える人)」

もっとも成功するのは誰だろう。

他人に優しくしていたら、厳しい競争を勝ち抜けない?――それは大きな誤解だ。これからは、他者志向の思いやりの発想とコミュニケーションが、あなたの仕事に大きな成功をもたらす。

リーダーシップ、営業、交渉、事業の立ち上げ、昇進まで……ありとあらゆるシーンでこの考え方が役に立つだろう。一橋大学大学院教授・楠木建(『ストーリーとしての競争戦略』『経営センスの論理』)の監訳と解説で、日本初デビュー!

「世の“凡百のビジネス書”とは一線を画す一冊だ!」

本書は24カ国語以上で翻訳され、世界中の人びとの「働く意義」を変えたといわれる大ベストセラーになっている。

三笠書房